ITストラテジストとは
ITストラテジストとは?
■ 情報処理技術者試験における「ITストラテジスト」
経済産業省管轄の独立行政法人「情報処理推進機構(通称 IPA)」は、昭和44年(1969年)に発足した「情報処理技術者試験制度」において、平成6年(1994年)より「システムアナリスト」試験を実施しました。その後、平成21年(2010年)より新たな試験制度に基づく12試験区分の実施を開始し、「ITストラテジスト」試験となりました。
「システムアナリスト」試験は、その受験対象者像を「経営戦略に基づく情報戦略の立案、システム化全体計画及び個別システム化計画の策定を行うとともに、計画立案者の立場から情報システム開発プロジェクトを支援し、その結果を評価する者」としていましたが、「ITストラテジスト」試験は、「経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを高度に活用した事業革新、業務改革、及び競争優位を獲得する製品・サービスの創出を企画・推進して、ビジネスを成功に導くCIOやCTO、ITコンサルタントを目指す方に最適です」とし、「高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術 (IT) を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者」と記されています。
システムアナリストは、システム化の計画を担う人だったのですが、ITストラテジストになって、事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者になっています。
■ITストラテジストの活躍範囲
IPAによると、ITストラテジストに期待する業務と役割には、以下の記載がある。
要約すると、企業の経営戦略の実現に向け、ITを活用とした事業戦略の策定、またその事業戦略にもとづいた情報システム戦略、システム化計画の策定を担う。
ITを活用した事業革新、業務改革、革新的製品・サービス開発を企画・推進又は支援する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。
1.業種ごとの事業特性を踏まえて、経営戦略の実現に向けたITを活用した事業戦略を策定し、実施結果を評価する。
2.業種ごとの事業特性を踏まえて、事業戦略の実現に向けた情報システム戦略と全体システム化計画を策定し、実施結果を評価する。
3.情報システム戦略の実現に向けて、個別システム化構想・計画を策定し、実施結果を評価する。
4.情報システム戦略の実現に向けて、事業ごとの前提や制約を考慮して、複数の個別案件からなる改革プログラムの実行を管理する。
<参考> https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/st.html
■ITストラテジスト資格を取得するには
ITストラテジストの試験は、IPAにより毎年1回春に開催されます。
令和6年度春期試験は、2024年4月21日(日)に行われました。
来年度の試験日、試験応募要項は、IPAのホームページを参照ください。
<参考> https://www.ipa.go.jp/shiken/index.html
例年、合格率は15%前後であり、当ITストラテジスト協会では、試験対策講座を開催しております。