JISTA関西支部 2025年9月度定例会　『Winny事件 ～高裁以降～』

2025年9月15日

2025年9月12日（金）、JISTA関西支部2025年9月度定例会を開催しました。
講演者は関西支部所属の壇 俊光 さん、タイトルは『Winny事件 ～高裁以降～』です。

ファイル共有ソフト「Winny」の開発者の著作権法違反幇助について、法廷でのやりとり、検察の姿勢、弁護団の戦術などを中心にお話いただきました。

著作権侵害蔓延を目的としているかどうか、幇助に該当するかどうか、それらを立証するための戦術やプロセス、裁判の裏側をわかりやすくお話しいただきました。

裁判で「P2P」を説明するために作成したPowerPointなどから、当時の裁判所のITに関する理解の度合いがよくわかります。メディアの反応も、IT専門誌から一般紙、大手新聞の記事から社説に至るまでの反応の違いも興味深く感じました。

また、本題とは違いますが、判決文で「原告は．．．」で始まる場合と、「原告を．．．」で始まる場合の違い。初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。

映画「Winny」の撮影現場のお話もありました。監督さんや俳優のみなさんのプロ意識、オーラ、同じシーンの撮り直しでしっかり涙を流せる女優さんの話なども．．．

この裁判によって人生が変わったことへの感謝を、金子勇氏に伝えられないことが最も残念、というお言葉には感銘を受けました。

笑い話も交え、楽しい話や真剣な話の数々、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

【主な内容】
●幇助とは何か？論理構成とメディア戦略
●著作権侵害の解釈 刑法、著作権法
●争点と控訴理由の矛盾
●証人尋問　村井純氏は漢！
●金子勇氏を「有罪にしてはまずい」と判断されるには．．