ストラテジストパネル第1回レポート

2026年3月2日

ストラテジストパネルとは

日本ITストラテジスト協会(以下、JISTA)の 社会的な貢献の一環 として、JISTA有志の知見を抽出・可視化し、日本のIT戦略に資する 情報発信や提言を目指す取り組みです。

ストラテジストパネルの実施形式は、日本経済研究センターと日本経済新聞社が共同で実施する エコノミクスパネル の形式を参考としつつ、定期的な情報発信(3か月に1回程度)を計画しております。

  • JISTAとは、ITストラテジスト試験の合格者を中心に、相互研鑽と情報発信・啓蒙を進める団体です。
  • ITストラテジスト試験とは、経済産業省が管轄し、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格試験の一つです。IT戦略の企画立案およびシステム最適化を担う高度IT人材を認定するものです。

 

回答者の属性

今回のストラテジストパネルに参加したJISTA有志 25 名の基本的な属性の分布です。なお調査期間は2025年8月22日~9月5日でした。

 

所属支部

 

所属企業の業種

業種は、日本標準産業分類(令和5年7月改定)に基づいて作成しております。 なお「専門・技術サービス業、学術研究」はコンサルティング会社やシンクタンクが含まれます。

 

年代

定点観測テーマ

毎回の調査を通じて設問を1つ固定し、IT業界の動向を時系列に沿って捉えるセクションです。

企業におけるDXやデジタル活用の推進には相応の予算を必要とします。一方で、売上向上や費用削減への直接的な効果が見えにくいIT関連の予算は、これまでは削減対象になりがちでした。

そこで、ITストラテジストとしての知見を有するJISTA有志に、経営や現場におけるITやDXの現況を予算感の観点で回答して頂きました。 もちろん立場や所属によって、個々の状況はまちまちです。 しかし、それらを集約・可視化することで、景気ウォッチャー調査や購買担当者指数のように 集合知的に、日本のITやDXの景況感を捉えることを目指す取り組みです。

問.自社または顧客がDXやITに使う予算は、3か月前と比べて増加している。

DXやITに使う予算は、比較的増加傾向にあるものの、「どちらでもない」など様子見の状況も見受けられます。

自由回答におけるコメント

氏名

会員種別

回答

自信

コメント

MN

正会員

どちらともいえない

5

自社を経営しており、全支出を把握している。

MS

正会員

全くそう思わない

5

自治体のため年度内の予算は決められているため

TA

正会員

どちらともいえない

2

自社では3ヶ月単位ではなく6ヶ月単位での予算を策定しており、質問に対して明確な回答はできないと考えたため。

YI

準会員

そう思う

4

企業におけるDXやIT活用への関心は年々高まっており、その目的は「業務効率化」「内製化」「コスト削減」といった従来型のテーマが中心です。近年では生成AIの導入や活用の工夫により、人件費や外注費の一部をIT関連予算にシフトさせる傾向が見られます。その結果、IT投資は継続的に増加していると考えられます。

TI

正会員

全くそう思わない

5

予算は3月議会で承認を受けており、それに基づいて執行しているから。

YY

正会員

そう思う

3

既存のDX PJと並行して、DX人財を育成するPJが新たに立ち上がっているため

KI

正会員

そう思う

2

変化はあると思っているが、企業が意図を持って増加させているかまでの確信はない。

EO

正会員

非常にそう思う

4

バックオフィス系のサービスが一般的になった。勤怠管理、人事労務、給与計算のほか、タレントマネジメントシステムを導入しているところも珍しくなくなった。ほかchatGPTの浸透で個人レベルで課金するケースも増えた。

KM

正会員

そう思う

4

社会的なDXへのニーズ増に対する教育費が自社で増加している。そのため、1年という単位で見ると、確実に増加をしている(実際に、私の住む市町村のIT関連予算は昨年比+200%で当初予算が組まれていた)。一方、3ヶ月、という短いレンジでは傾向がある、という印象にとどまる。顧客も同様。

RK

正会員

そう思う

4

PMとして支援しているクライアントが、DXプロジェクト予算を増額した。一方で、会社全体としてみたときには減額しているプロジェクトもあるかもしれないので、一概には言えない可能性もある。

HA

正会員

そう思わない

4

3か月というスパンで把握していないため

JT

正会員

そう思う

5

会議ツール、AIツール、ストレージ、など海外事業社への支払いが多くなっている。

TN

正会員

そう思う

4

AIの普及と進化により、AIを活用したDXが身近になった。AI活用にはデータが必要であり、データ活用基盤の整備についても機運が高まっている。

DJ

正会員

どちらともいえない

2

自身の部署以外の予算増減を知る機会が非常に少なく、憶測が入った分析に終止しがち那状態であるため。

都度調査テーマ

毎回の調査で設問の内容を変えるセクションです。その時々の旬のテーマ、ITストラテジストとして発信したい/すべき見解などを扱います。

本年7月にITストラテジスト試験の合格発表があり、JISTAにも新たな仲間が参画されます。一方で、2026年度からCBT(Computer Based Testing)方式への移行など、今後の情報処理技術者試験には大きな変革も見込まれます。

そこで今回は、ストラテジストパネルの初回として、JISTA外に発信できるITストラテジストの価値や魅力について、JISTA有志に自ら語って頂きました。なお、生成AI時代のITストラテジストの仕事などの深堀りは次回以降のテーマとして予定しております。

問.ITストラテジスト試験に合格したことで、あなたの仕事に変化はありましたか?

ITストラテジストのようなスキルを評価する企業等は、決して多数派とは言えないようです。

しかしながら、ITストラテジスト試験を通じて、自らのスキルやキャリアを見つめ直し、今後の活動につなげていく方もいらっしゃいます。またJISTAに所属することによる価値をあげる方もいらっしゃいます。

自由回答におけるコメント

氏名

会員種別

回答

自信

コメント

MN

正会員

そう思う

5

業務受注につながった。

MS

正会員

どちらともいえない

5

秋田市では有資格者は情報関係部署に配属していない。

TK

正会員

全くそう思わない

5

社内でITストラテジストということが認められない、重用されない

KS

正会員

そう思わない

4

さほど資格を重要視しない社風の為。

TA

正会員

そう思う

4

DXを推進する立場としての社内での活動が増えた

TI

正会員

そう思う

4

担当事業の計画策定など、業務のやり方に変化があったと感じているから。

YY

正会員

非常にそう思う

5

JISTAに入会した2年後にコンサルへの転職をしたが、JISTAに入っていなければ転職していなかったと感じるため

RT

正会員

非常にそう思う

5

キャリアを見つめ直して転職をするきっかけになった。

KI

正会員

どちらともいえない

4

試験の合格で仕事への直接的な変化はない。分析屋ではなく、戦略的なデータ利活用を設計・提案するという自覚・自信の根拠になっており、変わったのは自分。

EO

正会員

そう思う

5

社労士とITストラテジストを掲げることでIT関連のセミナーご依頼がくるようになったため。

KM

正会員

そう思う

5

当方社内SE、「ストラテジスト!凄い!」にとどまり、「じゃあ君にはこの仕事を!」という変化も、資格手当もない状況。一方で、特にストラテジストはJISTAというコミュニティへの所属による情報収集できる、という明確なメリットがある。そこで得た情報(例えば、紹介頂いた一般参加可能のセミナー情報)を社内にフィードバック、学びに繋げる、活かし方が出来る。使える武器が増えた、ジョブは変わらず くらいの感覚。

HK

正会員

非常にそう思う

5

客観的にITの専門家であることをアピールでき、実際に役職が変化した。

RK

正会員

どちらともいえない

3

今年の4月に受験し、合格通知を受けたばかりなのでまだ大きな変化は見られない。一方で、名刺や経歴などに記載することで、話のネタになったりはしている。

TN

正会員

どちらともいえない

4

自身の知識や意識には変化があり、ITストラテジを意識した発言が出来るようにはなったが、ITストラテジストというタイトルによって会社側の評価に変化があったわけではない。

DJ

正会員

どちらともいえない

4

明確に部署が変わったわけではないが、DX業務を兼務することとなるなど、変化はある。

おわりに

皆さまの所属する企業等におけるDXやITの施策は、進んでいる方でしょうか。もし停滞していると感じられたら、その原因は何でしょうか。 また、皆さまの所属する企業等では、ITストラテジストに限らず、何かしらスキルを持った人材がいるはずですが、その人材・スキルは活かされているでしょうか。

例えば上記のように、皆さまの活動におけるベンチマークとして、JISTAのストラテジストパネルを活用していただければ幸いです。また、このようなパネル調査を皆さまの所属する企業等の中で実施し、定期的に社内の知見を集約するのも良いかもしれません。

今回はストラテジストパネルの初回、トライアル的な位置づけでもありましたので、情報提供や提言として物足りない点もあったかと思います。このようなテーマで実施してはどうかなどコメントがあればJISTA担当までご連絡下さい。

皆さまのお役に立つ情報提供や提言となるように勤めてまいりますので、今後ともストラテジストパネルをよろしくお願いいたします。

文責:石川恵太郎(JISTA関東支部)